⑫無痛分娩中の食事
当院で行っている無痛分娩法は硬膜外麻酔という方法です。これは腰からチューブを入れて、下半身の痛みを取る麻酔です。
適切に管理すれば安全な麻酔法です。また、無痛分娩に用いる麻酔薬の量は手術の時よりも少ないため、副作用の可能性もより少なくなります。
しかし麻酔行為には変わりありませんので万が一のトラブルにも備えて無痛分娩を進めていかなければいけません。
極めてまれで私も遭遇したことがないのですが、硬膜外麻酔中に意識が遠のいてしまうことがあると言われています。
その際に胃の中のものを吐いてしまうと、誤って吐いた物が肺に流れてしまう恐れがあります。
これは肺炎につながる可能性があります。ですから麻酔中は胃の中を空っぽにしておく必要があるのです。
このような理由から原則として無痛分娩中の飲み食いは控えていただいています。水分補給は点滴で行います。のどが渇いた方には氷をなめて頂いています。非常にまれなトラブルを想定しての飲食制限ですから、見方によれば神経質とも受け取られかねません。
しかし、お母さんと赤ちゃんの健康をお預かりしている立場としては、このくらいの安全管理をしなければ無痛分娩を行えません。
「食事ができないのなら無痛分娩すべきか迷ってしまう」とお悩みの妊婦さんもいらっしゃるかもしれません。陣痛が来た時点でそのように迷われる方には自然分娩をお勧めします。実際に無痛分娩を選択なさった方は、陣痛の負担が余りに強い方ばかりでした。
「食事なんてどうでもいい」くらいの痛みです。ですから飲食が中止になるとしても受け入れていただけます。
無痛分娩に関する記事一覧
①「患者さんに喜ばれる無痛分娩しかし、自然分娩以上の安全管理が必要」
②「脊椎麻酔による無痛分娩 効果が速やかにでて、かつ麻酔薬の量は少なくてすむ」
④「どうしてお産は痛いのでしょう?痛みを和らげるのには様々な方法があります。」



















