「こうのとりのゆりかご」乳児死体遺棄事件について
当院における経過
平成26年10月3日20:29「こうのとりのゆりかご」(以下ゆりかご)の警報が鳴り、病棟・新生児室の看護師が同時間にゆりかごに到着しました。ゆりかごの処置台には銀色の包み(車のフロントガラスに置く日よけ)が有りました。
中には乳児の遺体がありましたが、すでに一部の組織で腐敗が始まった状態でした。へその緒も脱落した後でしたので、生後かなりの時間が経過したものと考えられました。
直ちに警察、児童相談所に連絡を行いました。
赤ちゃん発見時に屋外を見たところ、家族らしき人物は見当たりませんでした。しかし、当院の職員で不審な人物を目撃したとの申し出があり、警察の事情聴取を受けました。職員の目撃情報は以下の通りです。
①ゴミ出しのため屋外に出たところ、包みを抱えた女性とすれ違った。
職員以外にこの場所を通る人は少ないため不審に思った。
②仕事を終えて帰宅しようとしたところ、病院の横の道路に駐車中の車を見かけた。
通常、夜の時間帯でこの場所に駐車することはないため、先ほどの不審者の事もあって、車のナンバーを控えていた。
中には乳児の遺体がありましたが、すでに一部の組織で腐敗が始まった状態でした。へその緒も脱落した後でしたので、生後かなりの時間が経過したものと考えられました。
直ちに警察、児童相談所に連絡を行いました。
赤ちゃん発見時に屋外を見たところ、家族らしき人物は見当たりませんでした。しかし、当院の職員で不審な人物を目撃したとの申し出があり、警察の事情聴取を受けました。職員の目撃情報は以下の通りです。
①ゴミ出しのため屋外に出たところ、包みを抱えた女性とすれ違った。
職員以外にこの場所を通る人は少ないため不審に思った。
②仕事を終えて帰宅しようとしたところ、病院の横の道路に駐車中の車を見かけた。
通常、夜の時間帯でこの場所に駐車することはないため、先ほどの不審者の事もあって、車のナンバーを控えていた。
警察からいただいた経過説明
①母親は妊娠を隠していて、同居する家族は妊娠に気付いていなかった。
②赤ちゃんが無事生まれたら事情を家族に話し、自分で育てるつもりだった。
③9月30日早朝に自宅の浴室で出産した。既に死亡していた。
④解剖の結果、以下のことが判明した。
1.肺が膨らんでいないことから、胎児は呼吸をすることなく死亡した。
2.頭蓋内に出血があり、死因は分娩時の頭部圧迫によると考えられる。
⑤亡くなった状態で出産となった赤ちゃんをかわいそうで、ゆりかごならきちんと供養してくれるかもしれないと思い預けた。
⑥ゆりかごの存在を7~8年前に知った。事情がある妊婦や赤ちゃんを守ってくれるところと認識していた。
②赤ちゃんが無事生まれたら事情を家族に話し、自分で育てるつもりだった。
③9月30日早朝に自宅の浴室で出産した。既に死亡していた。
④解剖の結果、以下のことが判明した。
1.肺が膨らんでいないことから、胎児は呼吸をすることなく死亡した。
2.頭蓋内に出血があり、死因は分娩時の頭部圧迫によると考えられる。
⑤亡くなった状態で出産となった赤ちゃんをかわいそうで、ゆりかごならきちんと供養してくれるかもしれないと思い預けた。
⑥ゆりかごの存在を7~8年前に知った。事情がある妊婦や赤ちゃんを守ってくれるところと認識していた。
誤解と考えられる点
(1)「母親を特定できたのは、カメラで撮影していたからでは?」
当院で外部に設置している監視カメラは、本館の職員通用口に1台のみで、ゆりかごの位置と離れています。ゆりかご関連の監視カメラとしては機能しません。今回はたまたま職員が不審に思ったことがきっかけで情報を得た形になりました。
(2)「赤ちゃんはゆりかごに連れてくる途中で亡くなったのではないか?」
前述の通り、ゆりかごに預けられた時点では赤ちゃんの一部で腐敗が始まった状態で、連れてくる途中で亡くなったとは考えられません。
また、警察の見解では、9月30日早朝浴室で自宅出産し胎児は呼吸することなく死亡したとのことです。お母さんは赤ちゃんの死後ゆりかごに連れてきています。
(3)「母親が、『ゆりかごのことを以前から知っていた』と供述しているが、ゆりかごに預け入れることを前提にして自宅出産したのでは?
ゆりかごが危険な自宅出産を誘発したのではないか」
赤ちゃんが生きてくれれば、家族に事情を話して育てるつもりだったそうです。ゆりかごに預けることが前提ではありませんでした。
妊娠・出産を隠さなければならなかった理由について、現時点では当院も情報を得ていません。今後公判で明らかになるそうです。
当院で外部に設置している監視カメラは、本館の職員通用口に1台のみで、ゆりかごの位置と離れています。ゆりかご関連の監視カメラとしては機能しません。今回はたまたま職員が不審に思ったことがきっかけで情報を得た形になりました。
(2)「赤ちゃんはゆりかごに連れてくる途中で亡くなったのではないか?」
前述の通り、ゆりかごに預けられた時点では赤ちゃんの一部で腐敗が始まった状態で、連れてくる途中で亡くなったとは考えられません。
また、警察の見解では、9月30日早朝浴室で自宅出産し胎児は呼吸することなく死亡したとのことです。お母さんは赤ちゃんの死後ゆりかごに連れてきています。
(3)「母親が、『ゆりかごのことを以前から知っていた』と供述しているが、ゆりかごに預け入れることを前提にして自宅出産したのでは?
ゆりかごが危険な自宅出産を誘発したのではないか」
赤ちゃんが生きてくれれば、家族に事情を話して育てるつもりだったそうです。ゆりかごに預けることが前提ではありませんでした。
妊娠・出産を隠さなければならなかった理由について、現時点では当院も情報を得ていません。今後公判で明らかになるそうです。
今後の対応
①ゆりかごの運営方針
事件前と同様の運営を行っています。
②防犯カメラの設置
今回の事件は悪意や犯罪性の高いものとは考えていません。
しかし、今後防犯上の理由から対応が必要なのか警察に相談中です。
事件前と同様の運営を行っています。
②防犯カメラの設置
今回の事件は悪意や犯罪性の高いものとは考えていません。
しかし、今後防犯上の理由から対応が必要なのか警察に相談中です。
預け入れられた赤ちゃんとお母さんへ
赤ちゃんは最近までお腹の中で元気よく動いていたのだと思います。しかし陣痛が始まって、出てきたときの赤ちゃんは亡くなっていました。「産んで育てる」ことをお考えだったお母さんにとって、とても辛いことだったとお察しします。
私たちが赤ちゃんに初めて遭遇したとき、赤ちゃんの姿がとてもかわいそうでしたし、お母さんがこのような行為に及んだことを理解できませんでした。しかし、警察の捜査内容が明らかになるにつれてお母さんが悩み苦しんだ状況がわかりました。
私たちが残念に感じるのは、妊娠中に当院に電話相談をしていただきたかったということです。そのことで分娩中の危険な状況を回避し、無事に赤ちゃんを出産できたかもしれません。分娩後であってもご協力できることがあったと思います。
辛いお立場と思いますが、早くご家族の元にお帰りになれる日がくることを願っています。
これから預け入れをお考えのお母さんへ
今回の事件が報道されたことで、
「赤ちゃんを預け入れると警察に捕まるのではないか?」
と心配の電話相談が数件寄せられています。
この預け入れが事件となったのは、赤ちゃんが死体だったからです。赤ちゃんの死亡原因が殺人によるものかもしれず、詳しい調査のためには警察の捜査が必要でした。
赤ちゃんが生きていて、事件性がない状態でゆりかごの中に預け入れられれば、警察は捜査されません。
むしろ警察に逮捕されることを恐れてゆりかごの外などに赤ちゃんを置き去りにすれば、保護責任者遺棄罪に問われかねません。
赤ちゃんにも低体温や動物による危害など危険性があります。
どうしても預け入れをしなければならないお母さん、安心して赤ちゃんを私たちに託していただけますか?
預け入れた後、困っているお母さんの相談をお受けしたいとは思いますが、決して捕まえたり、罪を問うようなことはしません。
「赤ちゃんを預け入れると警察に捕まるのではないか?」
と心配の電話相談が数件寄せられています。
この預け入れが事件となったのは、赤ちゃんが死体だったからです。赤ちゃんの死亡原因が殺人によるものかもしれず、詳しい調査のためには警察の捜査が必要でした。
赤ちゃんが生きていて、事件性がない状態でゆりかごの中に預け入れられれば、警察は捜査されません。
むしろ警察に逮捕されることを恐れてゆりかごの外などに赤ちゃんを置き去りにすれば、保護責任者遺棄罪に問われかねません。
赤ちゃんにも低体温や動物による危害など危険性があります。
どうしても預け入れをしなければならないお母さん、安心して赤ちゃんを私たちに託していただけますか?
預け入れた後、困っているお母さんの相談をお受けしたいとは思いますが、決して捕まえたり、罪を問うようなことはしません。