熊本の産婦人科、無痛分娩などは慈恵病院まで。

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こうのとりのゆりかご|慈恵病院

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どうして命をつなぐゆりかごと連携するのか?

特別養子縁組のあっせんが必要な時、ほとんどの場合お願いしている団体が、“命をつなぐゆりかご”です。
 
日本には民間の特別養子縁組あっせん団体が複数あります。
慈恵病院が“命をつなぐゆりかご”にあっせんをお願いしている理由をご説明いたします。

 

1.最も優先されるのは赤ちゃんの幸せという方針。
特別養子縁組によって赤ちゃん・実親さんは救われ、養親さんには新たな幸せがもたらされます。
この過程で最も優先されるのは赤ちゃんの幸せです。赤ちゃんを大事にしてくれる人、赤ちゃんを幸せにしてくれるのが誰なのかが重要です。
ですから、赤ちゃんの性別にこだわる方、国籍、人種、病気の有無、障害の有無により「子どもを選ぶ」ご夫婦には仲介をされません。
高額な寄付などお金で赤ちゃんを買うような言動をなさるご夫婦もお断りします。
2.レイプによって生まれた赤ちゃんに真実を伝えるべきでしょうか
養子となったお子さんへの「真実告知」は重要ですが難しい問題です。
真実告知とは、養親さんが養子さんに、「自分たちは産みの親ではなく、育ての親」と伝えることです。その時に、「産みの親がどんな人なのか」「どうして産みの親は赤ちゃんを手放さなければならなかったのか」という点についても説明を求められることがあります。
もしレイプによって妊娠し生まれた赤ちゃんだったときはどうすべきでしょうか?
 
例えば、
レイプによる妊娠をした高校生がいました。
彼女は自分で育てられないため特別養子縁組を希望しました。
養親候補のご夫婦は、将来赤ちゃんに真実を伝えるつもりと表明します。
つまり、「赤ちゃんがレイプ被害によって授かった命」ということを。
 
私たちはそのような方針のご夫婦には養親候補を辞退していただきます。
しかし、このときの斡旋団体はそのご夫婦に赤ちゃんを託しました。
 
赤ちゃんが大きくなったときに、自分がレイプを通じて生まれた存在という事をどのように受け止めるでしょうか?
 
レイプは「魂の殺人」と言われるほど被害者にとっては重大なダメージを与えます。
レイプ被害に遭った事のない女性にとっても、レイプはおぞましい犯罪行為です。
男性にとってはその深刻さがピンとこない事もありますが、例えば自分の母、姉妹、娘がレイプされた時の気持ちはどうでしょうか。
 
とても強い人は自分がレイプによって授かった命であることを受け止めるかもしれません。
しかし、精神障害を来すほどのダメージを受ける人もいるはずです。
どんなに成功していても、どんなに幸せでも、レイプによって生まれた自分の存在が一生重くのしかからないでしょうか?
 
私たちはレイプ妊娠については真実告知をすべきでないと考えています。
この点について、“命をつなぐゆりかご”と方針が一致しています。
 
大事な赤ちゃんが将来苦しむことがあってはいけません。
“命をつなぐゆりかご”にお願いすれば、その点も配慮していただけると安心しています。
3.障がいのある赤ちゃん、虐待を受けた赤ちゃんのお世話もなさっています。
この団体のメンバーの中には自ら障がいのあるお子さんや虐待を受けたお子さんの養親、里親を経験なさった方がいらっしゃいます。
障がいや虐待の有無にかかわらずお子さんを受け入れる事が理想ですが、現実にそれをできるご夫婦は極めて少数です。他人に勧めることはできても自ら実践できる方はほとんどいないと思います。
偽りのない信念を感じることも慈恵病院が“命をつなぐゆりかご”を信頼する理由です。
4.時間と手間をかけてペアリングをされます。
「赤ちゃんにとって最も推薦できるご夫婦は?」
 
その決定のために講習会出席、手紙作成、面談という3つの手続きがあります。
“命をつなぐゆりかご”では養親候補のご夫婦との面談には4時間を費やされますが、時には6~8時間に及ぶこともあります。赤ちゃんの一生を左右する重大な決定ですから、時間がかかっても慎重に対応されています。
5.費用の負担を極力抑えています。
“命をつなぐゆりかご”は当初団体ではなく個人であっせん事業を行っていました。
その頃は無償での活動でした。しかし、あっせん事業に時間を費やすあまり、本業の仕事に時間を割けなくなり、収入が細り生活が立ちゆかなくなったそうです。
それから、手数料をいただくことになりました。
 
この団体は時間と労力を使ってあっせん事業を行っているのですが、養親さんにかかる費用を極力抑えています。
しかし、他のあっせん団体を見ると、一律に100万円以上の費用負担を求めたり、一律に弁護士費用を設定しているところもあります。
 
“命をつなぐゆりかご”のメンバーにその点を質問したところ、
「自分たちにもどうしてそんなに費用がかかるのか分からない」
「弁護士さんが必要なケースは少ない」という返事でした。
ちなみに厚生労働省は実費以下の金額を請求するように指導しています。
“命をつなぐゆりかご”で一組あたりにかかった共通経費(平成24・25年度)は約52万円でした。平成26年度は46万円でした。且つ個別にかかった経費を含めて80万円を超える場合には総額80万円以下にしています。
6.お金にならないケースにも取り組まれます。
特別養子縁組あっせん団体にも組織の維持のために収入が必要です。利益ではありません。
養子縁組が成立し、必要経費の回収になります。
特別養子縁組を希望していた実親さんが心変わりして、「自分で育てる」と表明されればお金になりません。しかし、“命をつなぐゆりかご”では、そのような場合でも「自分で育てる気持ちが固まって良かった」と一緒に喜んでくれます。この団体の本拠地は埼玉にありますが、困っている実親さんがいて必要があれば、九州でも北海道でも会いに行かれます。
この団体にとって、お金は大事ですが、お金は最優先事項ではありません。
7.養親さんのフォローだけでなく、実親さんのフォローもなさっています
「養親に赤ちゃんを託したら、実親は肩の荷が降りてスッキリしたのでは?」
 
このように思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、多くの実親さんは分娩後も悩み苦しみます。
“命をつなぐゆりかご”では実親さんの見守りも重要とされています。
実親さんの立ち直りのお手伝いを時間をかけてなさっています。

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