講師として出田名誉院長先生がいらっしゃいました
8月30日に職員対象の勉強会がありました。
今月の講師は出田眼科病院の出田秀尚名誉院長先生です。
今月の勉強会のタイトルは「流鏑馬(やぶさめ)と日本の心」です。
どうして医療者が流鏑馬を勉強するの・・・??
みんな話の内容を理解しようと謎解きをするように真剣に聴講しました。
以下は出田先生のお話の内容をまとめたものです。
今回体験した熊本地震。
大切なものが一瞬にして壊れました。
でもどうして日本人はお互いを励まし、慰め合いながら立ち直っていけるのか・・・これは万民息災の姿です。
いち早く復興に向けがれきを取り除き、五穀豊穣に取り組む勤勉さ・・・
そして人々は争うことをせず天下泰平に向かって協力しあいます。
日本人が皆美しい創造性を持っているからなのです。
その精神を教えてきたのが流鏑馬です。
馬と弓を使い、建国の精神(万民息災・五穀豊穣・天下泰平)を、民族の倫理規範として伝えてきたものなのです。
流鏑馬は日本人の心を現した儀式。
中でも武田流流鏑馬だけがこの儀式を一子相伝で伝えてきたそうです。
武田流流鏑馬を伝承している熊本ってすごい所です。
それでは医療の世界とどう関係するのか・・・
医療は心と技が合わさって成り立つものです。
医療界での万民息災は同情・激励・慰めであり、五穀豊穣は努力・勤勉につながり、
天下泰平は争わず相手を思いやり患者様に寄り添うことに通じます。
どんなに技術が高くてもそこに心が加わらなければよい医療にはならないのです。
人々の幸せ願い心をそして感性を磨くことが私たち医療人には大切なのです。
深い・・・とても心にしみるお話でした。
「智に働けば角が立つ。情に棹(さお)させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい」
バランスが大切と出田先生が最後に仰っていたのが心にしみました。
これからも病院を頼りにしてくださる皆様のために努力精進しようと心を新たにしました。
最後に出田先生が作詞された「流鏑馬少年少女の歌」と執筆された本を頂きました。
出田先生、本当にありがとうございました。